やわらかい手

やわらかい手 スペシャル・エディション [DVD]

やわらかい手 スペシャル・エディション [DVD]

・家族の繋がりを考えさせられる
・シチュエーションがオモシロイ


/最後のキスシーンが本当に余計



コメディとジャンルわけされているけど、ヒューマンとかシリアスじゃね?
簡単にあらすじを言うと、


【孫が難病に侵された。お金が必要だけどもちろんない。で、お婆ちゃんが風俗で働くことに。壁に穴が空いていて、そこに突っ込まれた客のペニスをシゴいてヌクという仕事。恐る恐るのお婆ちゃんだったが、いつしかその壁の前には大行列が。そう、お婆ちゃんはゴッドハンドとでも言うべきヌキ名人だったのだ】


これだけ聞くとコメディだ。
多くの客をこなしすぎて、お婆ちゃんが肘を痛めると同僚は言う。


『テニス選手はテニス肘。でも私達はペニス肘よ』


ってウマいし。



だけど劇中流れる音楽は常に重苦しくて陰気。とても笑える雰囲気ではない。
お婆ちゃんの仕事を知って、ショックを受ける息子。
涙を流してブチキレ罵倒する。
自分の子供(孫ね)が今にも死にそうなのに、『こんな薄汚れた金は使わない!』って、おいおいそんなこと言ってる場合じゃないだろう?


その点、嫁さんは現実的だ。
恐らく、今まではお婆ちゃんと折り合いが悪かったと思われるが、風俗で働いてまで孫の治療費(正確には渡航費)を稼いだと知って、感謝の意を表す。


もっとも要らないと思えるのは、最後のキスシーンだ。
風俗店のオーナーと何故かキスして映画は終わるのだが、ほんとに何故?
なんとなくいい雰囲気になりつつあるのは、十分に感じられたのだが、オーナーがお婆ちゃんに恋をした原因の描写がない。
あまりにも評判になったお婆ちゃんのテクニックを内緒で試す、つまり自分も客としてヌイてもらうというシーンがあったが、ここしか原因が見当たらない。


え?壮絶テクニックに惚れた?手でシゴクだけですが。


なんつー下世話なラブストーリーなのだろうか。
シリアスな難病にまつわる家族間のイザコザと和解。
お婆ちゃんの自立と再生。
そして、壮絶テクニック(と、いっても手コキ)にあっさり落ちた風俗店オーナーとの下世話なラブストーリー。


そのギャップがコメディなのか?それでいいのか?